アートを描いてストレスの多い日常から解放される

アートの制作を通して自己認識を高めたり、ストレスや精神的な疾患などの症状を緩和するセラピーのひとつである「アートセラピー」。自分の感情と向き合いアートを描くアートセラピーは、マインドフルネス瞑想と共に行うことで相乗効果をもたらすと言われています。最近ではマインドフルネスを取り入れた「マインドフルネス・ベースド・アートセラピー」というセラピーが、欧米でポピュラーになってきているそうです。日本芸術療法学会認定の芸術療法士であり、ロンドン・アートセラピー・センターのニッキー・ローランド氏に師事し、現在、神戸を拠点に「マインドフルネス・ベースド・アートセラピー」のセラピストとして活動する山本眞理子さんに、アートを通じてマインドフル(*)になる方法を教えていただきました。

マインドフルネス・ベースド・アートセラピーとは?

私が学んだイギリスの「マインドフルネス・ベースド・アートセラピー」は、基本、セラピストと患者さんとでマンツーマンで行うことが多いです。まず、呼吸瞑想やボディスキャンなどのマインドフルネス瞑想を行い、「ただあるがままの状態」、「ただ存在している状態」を感じてもらいます。それから、セラピストが患者さんと対話をしながら、心に浮かんだことを描いてもらいます。自分の身体や呼吸などに意識を向けることで、心を無の状態にすることができ、それによって感情が解き放たれて、その感情がアートとして表現されるのです。

五感をフルに使ってアートを制作することでストレス解消

もちろん、精神疾患を抱えている患者さんでなくても、マインドフルネス・ベースド・アートセラピーの恩恵を受けることはできます。先日は、マインドフルネスに興味を持っていてストレスを解消したい外国人と日本人が混在するグループにセッションをしました。この時は抹茶を使ってみました。3分くらいの短いマインドフルネス・メディテーションをしてもらったあと、抹茶のパウダーをひとさじ分白い紙の上に乗せて、抹茶の香りを嗅いだり、指が触れる感覚などを味わってもらいます。お茶の香りって外国人でも日本人でも、嗅ぐと落ち着くんですよね。その次に抹茶を水で解いて、それを絵の具として使い、和紙に筆で線や図形を描いてもらいます。濃く描いたり、かすれるように描いたり、滲ませたり、自分の気持ちに従って好きなように描いてもらうのです。そのうちに”無”の状態になっていくんですよ。アートセラピスト自身は絵を描かないのですが、そういう”無”になって描いていく雰囲気を作って見守るのです。終わった後は、和紙に描いた作品を壁に張って鑑賞会をします。それと同時に抹茶でお茶を立てて味わいます。お茶を立てて飲むのも、マインドフルネスに通じる行為なんです。鑑賞会をした後は、最後に軽くマインドフルネス瞑想をして終わります。みなさん、これら一連の行為を通して、ストレスフルな日常から解放されて、自分自身の感覚や感情に向き合う時間が持てたようです。

自宅やオフィスでもアートでマインドフルに!

自宅やオフィスでも、アート制作を通してマインドフルになることはできます。それでは、1人でもできる方法を紹介します。画材は色鉛筆、マーカー、パステル、鉛筆何でも結構です。イライラしている時はボールペンがオススメです。画材はあらかじめ、ペン立てなどに入れて目の前に置いておいてください。

① 背筋を伸ばして床、または椅子に座り、足の先から頭のてっぺんまで順番に意識を向けるボディスキャンを行います。ご自分の身体の感覚や状態を感じてみてください。

② 上唇にあたる息に意識を向けて、普通の呼吸を繰り返してください。3分ほど呼吸に集中したあと、意識を身体全体に広げます。

③ 静かに目を開けて、画材に目を向けます。そして、その時の気分で画材を選びます。

④ 何かを見て描きたいと思う時は、コップや観葉植物でもよいので、それらのモチーフを見ながら描きます。手が自動に動く気分の時は、何も見ずに自分の心に従って描いてください。

⑤ マインドフルネスを行って研ぎすまされた感覚で、身体に伝わる感覚、浮かんでくる感情など、様々な感覚を味わいます。

⑥ 気持ちが済むまで描きます。ただ、集中できる限界はだいたい10分くらいかと思います。

⑦ マインドフルになった状態(*)で自分をアートで表現できたら、その日のアートセラピーは成功です。

最初は幼稚園生や小学生になったような気持ちで描いていればよいかと思います。描いているうちに、心理学的に「内省」というのですが、心を見る事ができるようになります。

*マインドフルな状態とは、「いま・ここでの体験にあるがままに気づいている状態」です。

山本眞里子
人間文化学博士(心理)

Text by 松田敦子

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