人気ヨガインストラクター、岩崎玉緒が考えるネガティブな感情を手放す方法

海と自然をこよなく愛するサーフヨギーニの岩崎玉緒さん。湘南に居を構え自然と共存しながら調和の取れたライフスタイルを送っているその姿は、まさに憧れの生き方。“サップヨガの伝道師”と呼ばれるほどにアクティブでパワフルな玉緒さんも、実は苦悩しながら過ごした日々があったといいます。カナダで大きな事故に遭い、左半身不随になるかもと宣告されたのは15年ほど前。「夢も希望もなくなり、ネガティブな感情に包まれた時期にあるきっかけからヨガを始めたことで、少しずつ前向きな気持ちになれた」と話す玉緒さん。そのきっかけは周りの人たちがくれた“ポジティブな言葉のシャワー”。自分に起こった過酷な出来事を受け止め、感謝の気持ちを持って過ごしていくうちに前向きな自分を取り戻せたのだそう。苦難を乗り越えた玉緒さんが語る言葉は、どこまでも明るく前向き。そんな玉緒さんの考える“幸せ”や“ネガティブな感情の手放し方”についてお話を伺いました。

小さな夢や目標を持つと情熱が湧いて前向きになれる

――日常的にネガティブな感情を持ってしまう人って多いと思うんですが、どうしたら手放すことができるのでしょうか?

「まずは夢を持ってほしいです。それなりに大きな夢を描いて、その大きな夢のために小さな夢を作る。ここがクリアできたら次、って少しずつ階段を上っていくようなイメージ。小さな夢や目標を持つと情熱がすごく湧いてきます。その夢や情熱があればなんて言われようと、反対されようと強く生きていけるし、へこんでも歯を食いしばっていけるんです。周りに目標とできるような人や、声をかけてくれる人がいないのであれば、夢を作るのがいいと思います」

――夢を叶えるのが目的ではなく、夢を持つということに意味があるということでしょうか?

「もちろん叶えられるのがベストですが、その過程で大きな壁を乗り越えていくときってすごく悩むし、迷うし、落ち込む。それでも挑戦して、怖いものから逃げずに自分から向かって行く。それを繰り返していくうちに成功例が見えてきます。「前回これで成功できたから、また次もがんばれるかもしれない」って自分を応援できるようになります。ただ、挑戦したことがない人や、「できた!」という成功体験がない人は、なかなかそこにいきつけないかもしれません。だからこそ、本当に小さな目標、達成できそうなことでいいんです」

――日常的に誰でも達成感を得られる小さな目標。たとえば具体的にありますか?

「スポーツですね! 体を動かすことって心を動かすことだと思うんです。たとえば、ホノルルマラソンに出るために体重を落とす必要がある。ではまず今日は食事を変えよう。何キロも走らなくても、今日はウォーキングで5km歩こうっていう、小さな目標をクリアして少しずつ大きな目標に近づいていけばいい。いきなり達成できないけど、これだったらできるでOK。そしてまた明日がんばれるようにご褒美をあげてください。明日に余力が残るくらいのがんばり具合でいいんです。100%がんばっちゃうと続かない。力を抜いてその瞬間を楽しむことが大事です」

――OKをどうやって出したらいいかが難しいですよね。

「それは自信だと思います。自信があれば、明日はまた違う明日が来るからって思える。自信には2つあって、“根拠のない自信”と“根拠のある自信”。“根拠のある自信”は、いろんな努力をして這い上がって、くじけて、でもまたがんばって、という体験型の自信。もうひとつの“根拠のない自信”は、周りから批判されても「あなたのままでいいんだから」と言ってもらえる両親の愛によって6歳くらいまでに培われた自信。そういう自信がある人は、本当は一番強いです。「何があっても大丈夫、誰に何を言われても自分らしく生きる」って言い切れるから。でもそういう人は意外と少ないです。だから、自分で“根拠のない自信”を育てて行くしかないんです。誰かが魔法で自信をつけてくれることは絶対にないので、自分自身で経験を積むしかないんです」

自分の心のハンドルをしっかりと握ることが大事

――ネガティブな感情には嫉妬や執着などもありますよね。それはどのように対処するといいのでしょうか?

「根本的なところですよね。それこそ、自信じゃないでしょうか。執着って言うのは自立していないってこと。恋愛に限らず、人間関係に対して執着心があるときって、自分の軸がぶれている状態。だから執着を手放すには、自分の心を自立させて、心のハンドルをしっかりと握ることが大事。たとえばウマが合わない人なのに、気になって気になって嫌いなはずなのにInstagramを見たりしますよね。これも執着。しかも自分の方が勝っているとか、自分の方が劣っているとか比べてしまう」

――心のハンドルをコントロールすることで執着がはずれれば、人と比べることもなくなりますか?

「自分の世界はここってわかれば、人の芝生を見なくても幸せでいっぱいになって、応援できると思います。劣等感や優越感ではなく「いいね!」って応援できて、逆に「私もこうしてみよう!」って思えるはずです。「いいな」だと「うらやましい」とか、「私もそうしたいな」という嫉妬ですよね。家族やパートナー、子どもがいて、パッションを燃やせる仕事もあるのに、なぜか「いいな」って思ってしまうのは、自分に意識が向いてない、自分は幸せのループに包まれているって認識できてない証拠。ある意味幸せが当たり前になってしまっているってことです」

――まずは自分ときちんと向き合って、どういう夢を持って、どういうなりたいか、あとは自分がどんな幸せな環境にいるのかを確認することが大事ですね。

「そして感謝をすること。感謝を忘れると、隣を見てしまう。感謝をして自分の世界で、自分を愛してしっかり生きることが大事。自分自身に感謝できない人は、人にも感謝ができない。まずは自分の体や、挑戦している自分に「ありがとう」と言う。あとは、周りの人に感謝の言葉を発することがすごく大事。いつもクラスで教えているキーワードがあるんです。7つのキーワードを意識することで、自分と向き合い、自分を愛せるようになると思いますよ」

自分と向き合い、自分を愛せるようになるキーワード

<Love Myself ~自分らしく幸せに生きるとは~>

①幸せになるために「今を大切に生きる」。

明日という日が必ず来るとは限らない。今できることを先送りにしない。「今を大切にできる」とは、今生きていることに感謝し、「今」できることを後回しにしないということ。

②キレイなだけの女は退屈! 人と違う自分の個性を大切に

自分の魅力を10個書き出しましょう。(謙虚に書く必要なし。自分が感じるままに)

③自分の心のハンドルは自分でしっかり握る

ネガティブは連鎖反応を起こす。ポジティブでいる人は、心の操作方法を知っているからポジティブでいられる。

④小さな幸せを数える習慣を身につけよう。好きを増やして人生をエンジョイ!

過ぎてしまったいやなことを思い出すより、身近にある幸せに目を向けて!

気分が落ち込んでも、誰かに話しを聞いてもらわなくても、自分を立て直す。

あなたにとって、一人でもできる「好き」とは何ですか?

⑤情熱を持って、夢や目標にチャレンジし続けよう!

自分の信じることをワクワクする気持ちを持ってあきらめない。失敗を恐れず挑戦する。たとえ失敗しても人生の学びになる。

⑥人と違うことを恐れない

「自信」を持つのに他人の評価はいらない。これができたら他人も尊重できるようになる。

⑦他人と比較しない幸せを満喫する

自分が自分の最大の理解者。大切なのは自分がどう感じるか。

――感謝は心で思うだけではなく、声にすることが大事ですか?

「言霊って広がっていくので、絶対に発してほしいです。「ありがとう」のひとことで信頼関係が生まれていいループになるんです。感謝の言葉って引き寄せの一番大事な要因かなと思っています。あとは自分を信じて、本能に従ってください。それって人間が本来持っているものですが、いろいろ考えてしまって本能や直感を感じない人は、自然に戻ってみましょう。浄化もされますし、普段気づけないことを自然はたくさん教えてくれます」

――気持ちよく生きていくためには、環境作りも大事ということですね。

「人によって水でも山でも、お風呂でも公園でも、自分にとってパワースポットだと思えばいいんです。ただ、自分にとってどんな環境が気持ちいいのか、リフレッシュできていい状態でいられるのかは、よく考えてください。意外と皆さん考えてないんです。何かのせいにしたり、何が不必要で何が必要かってことをわかってない。自己分析して、自分が好きな場所、好きな人、本当にやりたい仕事を書き出してみてください」

ドリームマップで自分の夢をビジュアライズさせる

――書き出すのにオススメの方法があれば教えてください。

「よくドリームマップを作ってもらうんですが、みなさんなかなか描けないんです。自分にとって何が幸せかがわかっていないから。ドリームマップは夢の設計図。自分が数年後にどうなっていたいかを想像して、ビジュアライズします。雑誌の切り抜きを貼ったり、好きな言葉を載せてもいい。目標となるものをコラージュして夢の道を作っていく。そのマップを見えるところに置いておくんです。ビジュアルがあることが大事で、絵は文字よりもインプットされやすいし、常にその絵をみていたら、夢が叶った気になっちゃう。そうすると人間って不思議なことに、行動に移るんです。海の写真を貼っていたら海に行くことが増えたり、潜在意識に植え付けるんです。ドリームマップを作るのは本当にオススメです」

――ネガティブが取れない人にはいいですね。すり込みにもなるし、楽しいイメージによって、こうなりたいって気持ちも生まれてきますよね。日常的に取り入れていけば、どんどんポジティブになっていけそうですね。

「あとは笑顔でいること。見映えが美しい人はたくさんいますけど、やっぱり内側から出るオーラって違うんです。笑顔でいることが一番のお化粧。口角を上げて、輝く笑顔をしている人がホントに美しいって思います。だから辛いときでもできるだけ笑顔でいること。そうすると無理にでも気分が上がります。時には泣いてもいいけど、そのあとですぐ笑顔に戻ること。そうしたら勝手に本当の笑顔になれます。もしかしたら幸せでいるためにまず一番にできることは、笑顔になることなのかもしれないですね」

今、自信がなくても、人と比べず自分自身と向き合い、自分が信じていることに向かって突き進んでみる。そして、今あるものに感謝をし、自分を愛する努力をする。そうしていくうちに、ネガティブな感情を手放すことができるはずです。玉緒さんの言葉を参考に、あなたにとっての“幸せ”を改めて見つめてみてはいかがでしょうか。

岩崎玉緒
ヨガ / SUP YOGAインストラクター
Instagram: @tama_smile

Text : 橋本いずみ

ラッセル・マインドフルネス・エンターテインメントでは、ヨガ、瞑想、音楽&ダンスで心と身体を整えて解放するモーニング・ウェルネス・パーティ「AWAKEME」と、幸せな毎日を過ごすための学びのオンラインコミュニティ「AWAKEME “THE WORKSHOP”」を開催しています。

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ウェルネス・パーティ

AWAKEME

AWAKEME(アウェイクミー)は、ヨガ、瞑想、音楽&ダンスを楽しむウェルネス・パーティです。コンセプトは「ヨガ・瞑想・音楽&ダンスで心と身体を整え解放しよう」。

自分の内側に意識を向け、自分自身をあるがままに受け入れて、凝り固まった思い込みや想念に気づき、目覚め=AWAKEの旅に。

新たな自分を発見して、みんなで愛に溢れた世界を作っていきましょう。

私たちは自己肯定感を高めることを目的としたウェルビーイングコミュニティを形成していきます。