心の健康を支えたいという思いから大学で心理学を学び、大学生の頃に働かせてくださいと飛び込んだヨガスタジオでそのままインストラクターの道へと進んだitsukaさん。体についても学ぶ中で心の一部である食欲をおさえる食事制限が心の健康を害していることに疑問を感じ、マインドフルネスを取り入れた食事瞑想を実践されるitsukaさんに自分をケアする大切さについて語っていただきました。
ーー心の健康を支えたいという想いから大学で心理学を学んだということですが、なぜ心理学だったのでしょうか?
「特に理由があったわけではないんですよね。自分に何か心の悩みがあったとか、近くに悩んでいる方を見たからというわけではなくて、もともと持っていた興味が心の健康だったんです。自分のなかではっきりと興味を持ったのは高校生の頃です。社会人の話を聞く授業で、40代の自殺率が最も高いと耳にして、死に至るまでに悩む人ってすごく多いんだなと。私の中では40代ってすごく充実している期間というか働き盛りで家族もいて、こんな豊かな日本で、なんでなんだろうと思ったところから自然と心理学にたどり着きました」
ーーヨガは在学中に出会われたのでしょうか?インストラクターになったきっかけは何ですか?
「心理学の中でも自分の興味が自殺だったり、うつ病患者だったりで精神医学のゼミに進んだ時に、進路として臨床心理士になるのが一般的で大学院に進もうか考えていた時にホットヨガがブームになっていて、そこでヨガを知りました。その時はそれ程メジャーではなかったのですがヨガの哲学にも触れ、人間の心の健康や幸せってもとから持っている考え方とかその人のものの見方からきてると実感しました。私自身座って勉強することが嫌いで、後2年間勉強するのも嫌だったので(笑)だったら現場でインストラクターとして健康に携わることがしたいなと思い、大学生の頃にヨガスタジオに乗り込み働かせてくださいとお願いして始めました」

ーーマインドフルネスを実践するようになったのはいつ、どのようなきっかけでしたか?
ヨガをやっていると自然とマインドフルネスに繋がってくるかと思うのですが、マインドフルネスをしっかり意識したのは後になってからです。クラスをお伝えさせていただく中で、気分が塞ぎ込みがちだった方がヨガを通して明るくなったり、症状が回復していくのを見て、本当に心と体は繋がっているんだなと思いました。その時に綿本彰先生の200時間RYTでヨガの先生の資格をとり、自分を深く見ていくとか、向き合っていく、瞑想していくトレーニングを受けて表面上の体を動かすだけではない、瞑想っていう中での自分が気づかなかった深いところを見ていくということを知りました。それ自体がほとんどマインドフルネスだと思うのですが、綿本先生はほとんどマインドフルネスという言葉を使っていなかったように思います。多分マインドフルネスという言葉が使われるようになったのはわりと最近のことで、知らず知らずのうちにマインドフルネスの練習をしていたのかなと思います」
ーーあとからマインドフルネスだと知って何が一番変わったなと思いますか?
「深く自分を見ていく、感じていく、今この瞬間に気づいて自分を受け取っていくということに関して私はすごく変わったなと思っています。他人と比較をしたり、いい子でいようとしたり、いわゆる正解の生き方に気持ちが引っ張られることが多かったので、一旦それは置いといて心の言うことを聞いてあげる、ジャッジをせずに受け止めてあげるということがどういうことなのかを知った時はすごく生きやすくなりました」
ーー大学で学んだ心理学はマインドフルネスと繋がりましたか?マインドフルネスの学びにどのように役立ったと思いますか?
役立ったという言い方が正しいのかは分からないのですが、大学で学んだ精神医学はカウンセリングがメインなので、お客様のありのままの声に耳を傾けるというか、こちら側でジャッジや操作をせずに聞くというのがどういうことなのかが実感としてヨガにリンクしました。無意識的に自分がジャッジしているということに気づけたというのはありますね。学校はスキルだったり知識を教えてくれるのですが、実感を教えてくれるという意味でいうと違うところもあるんじゃないかなと思うので、そういう部分をヨガに教えてもらいました」

ーーインストラクターのご経験からZERO GYMを開設されるに至ったきっかけは何だったのでしょうか?
「インストラクターの経験の中で人と心の繋がりというものを知って、仕事のやりがいを感じていたのですが、もともと体のことを全然勉強していなかったんですよね。心を支えるにはもう少し深く体のことを知らなきゃなと思っていた時に、皆さんもご存知の、2か月間で劇的に体を変えるダイエット法がとても流行っていて。この方法なら身体に関してしっかりと学べると思い、女性専用のダイエットジムに転職しました。ダイエットジムでは食事制限と筋トレで体を変えていくというやり方をしていたのですが、驚く程多かったのが食欲に関する悩みでした。イライラした時に無性に食べたくなったり、食べることがストレス解消なんて方もいると思いますが、食事というのは私たちの心やストレスと深く結びついています。それを無理やり我慢することで、最終的には心の健康を害してしまう部分に繋がるんですよね。ジムに来る前は甘いものがいらなかったのに食事制限したら食べたくなっちゃったとか、お金を払ってキツいトレーニングも頑張っているのに気持ちが抑えられなくなってお弁当を2個も3個も食べちゃう方がいて。食事制限をすることで心の健康を害していることにすごく葛藤が生じていました。これをどうやって解決しようかと思った時にマインドフルネスの考えがはっきりと思い浮かんできました。食欲にとらわれている状態の方は頭の中が情報に支配されていて、今そこにある味や美味しさに気づけていないんですね。このような場合、いくら食べても満たされない状態になってしまっているので、まずはきちんと満たされる、そこにある味や感覚をきちんと感じることで食欲コントロールを身につけて辛くないダイエットを伝えたいと思ったのが、食事瞑想(マインドフルイーティング)を伝えることになったきっかけです。それで本を書くのはどうしたらいいんだろうと思って出会ったのが今の会社です。ビジネス書を中心に扱う出版社だったのですが、近年はビジネス書でも健康やコンディショニングのコンテンツの反応が良かったということで、実際に新規事業としてジム立ち上げのお誘いをいただき、食事瞑想の書籍の出版も含め今の会社へと転職しました。そして2017年、心の健康やマインドタフネス、折れない心を育むために「疲労回復専用ジム」としてオープンしました」
ーーitsukaさんが担当されているパワーナップのクラスについても疲労回復と繋がるのでしょうか?どんな内容か教えてください。
「パワーナップは午後のパフォーマンスを上げるためにお昼寝が推奨される理論で、NASAなどでも研究されています。実際に20分の午後の睡眠をとったところ、パフォーマンスの向上が認められたという研究結果もあります。ZERO GYMはビジネスパーソンのパフォーマンスアップがコンセプトのジムですので、このパワーナップを推奨することで生産性向上にも貢献できるのではないかと思い始まったクラスです。具体的には、20分くらい仰向けになって休息していくのですが、いきなり休めと言われても難しいですよね。特に日本人は休むことに罪悪感を感じやすいと言われていますので、ZERO GYMでは呼吸を導いていくことでリラックス効果を高め、眠りの瞑想といわれる内容で休息効果を高めていきます。ほんのちょっとの時間ですが、クラスが終わるころには心身ともにすっきりとしていきますので、午後のパフォーマンス向上につなげていただいています」
Text:室町亜希
ラッセル・マインドフルネス・エンターテインメントでは、ヨガ、瞑想、音楽&ダンスで心と身体を整えて解放するモーニング・ウェルネス・パーティ「AWAKEME」と、幸せな毎日を過ごすための学びのオンラインコミュニティ「AWAKEME “THE WORKSHOP”」を開催しています。
Instagram:https://www.instagram.com/awakeme_mindfulness/
ウェルネス・パーティ
AWAKEME
AWAKEME(アウェイクミー)は、ヨガ、瞑想、音楽&ダンスを楽しむウェルネス・パーティです。コンセプトは「ヨガ・瞑想・音楽&ダンスで心と身体を整え解放しよう」。
自分の内側に意識を向け、自分自身をあるがままに受け入れて、凝り固まった思い込みや想念に気づき、目覚め=AWAKEの旅に。
新たな自分を発見して、みんなで愛に溢れた世界を作っていきましょう。
私たちは自己肯定感を高めることを目的としたウェルビーイングコミュニティを形成していきます。
