かつてはCA(キャビンアテンダント)として世界各地を飛び回っていたKIKOさん。結婚、妊娠を機に飛行機を降りてからは、CA時代に出会ったヨガの智慧を深く学び、ヨーガ療法士とチネイザンの資格を取得。陰陽五行思想をもとに、内臓にフォーカスし心と体を整える臓活ヨガをつくりあげ、セラピストも養成しているKIKOさんに臓活ヨガで体の不調を取り除く方法や胃腸によい食べ物、生活習慣についても聞いてみました。
世界中を飛び回るCAからヨガの道へ
ーーCAをされていたとのことですが、ヨガに出会うまでの道のりについて教えていただけますか?
「もともとCAは、最初は台湾を拠点にしながらあちこちに飛んでいました。結婚と同時に退職してからは同じグループの別会社にてバンコク、ハワイ、グアム、サイパンと4か所をメインに飛んでいました。妊娠をきっかけに飛行機を降りた時は、復帰を検討していましたが、完全母乳ということもあり育児に専念しました。CAの時にヨガはフィットネスクラブでやっていたこともあり、子育しながらも産後の体型を戻せるしといういう気持ちで養成所の門をたたきました。当時、上の子が3歳、下の子が0歳でしたが、育児真っ最中の私には、自分自身を感じる時間がとっても貴重であり、物凄く自分で縛り付けていたものが解き放たれていき、門を叩いてから今年で16年になります。」

ーー養成所の門をたたいてからヨガ講師になったきっかけは何だったのでしょうか?
「ヨガ講師になろうと思った理由は、自分がヨガをして変わったからです。先ほどもお伝えしましたが、当時子育て真っ最中。自分で動きたいように動けないので、心のバランスをとるのが難しいなと思っていました。そんな時にヨガの智慧に出会ったら、物の捉え方が変わりすごく楽になって、これは自分に必要なものであり、周りの方も同じように感じている人がいるはず。きっとそんな方のために、今後、私の経験が役に立つだろうと思い始めました」
ーーヨガの智慧を学んだというのがマインドフルネスとの出会いにも繋がったのでしょうか?
「そうですね。初めヨガはホットヨガから入ったので、美容やむくみといったところから始まり、段々とメンタルが気になるようになりました。入って来られる生徒さんの目線やマットの敷き方、ポーズの形へのこだわりなど、その方の奥の部分が気になるようになっていました。受講生の心の叫びかもしれません。その時に木村慧心さんのヨーガニケタンで学び、ヨーガ療法士として心のケアをしたいと思うようになりました。ヨーガ療法士とは、例えば、癌を患った方やホスピスに入っている方向け。また心身症を患う方に向けて、カウンセリングをしたりヨーガをします。ただ、ヨガって自分で気がつかないと変わることができないんです。その時に、チネイザンに出会いました。チネイザンは、中医学をベースにして内臓に溜まっている感情をほぐします。これは、私がお腹に触れることで、その方が自分の本当の感情に気が付くかもしれないと思ったのです。ヨーガ療法士とチネイザンを両方行い、どんどんメンタルの世界に入っていったなかで自然とマインドフルネスに導かれていきました」

内臓にフォーカスした臓活ヨガのメソッドを考案
ーー臓活ヨガはどんなヨガですか?
「臓活ヨガは、中医学で使われる陰陽五行思想をベースにしながら内臓にフォーカスして内臓を陰陽五行の流れに沿ってアプローチをしてあげることで、より内臓の状態を整える、蘇らせる、勢いよく動かすヨガです。臓活ヨガはもともとチネイザンのセラピーが元となっています。コロナ禍で実際にお腹に触りに行けない状況になって、当時ヨガのクラスも全部できなくなったことで誕生しました。つまり、臓活のヨガメソッドは自粛中に完成しました。臓活ヨガは、例えば肩こり・腰痛があるから単にヨガをするというのではなく、なぜ起きるのか? という原因を臓器の状態から根本の原因を探ります。肩こりは肝臓に繋がっていて、陰陽五行思想の流れでいうと、肝臓の親は腎臓にあたります。ですから腎臓の状態を体の症状、心の症状と両方から見ていきます。腎臓を元気にしてあげることによって、肝臓も元気になって肩こりがなくなっていくというアプローチです。これはシンプルな一例ではありますが、放置しておくと、どんどん原因が奥深くなっていくので、カウンセリングや動きながらどんどん掘り下げます」
ーー腎臓を見るというのは、どのように見るのでしょうか?
「例えば腎臓で出てくる症状だと、尿痛や足の冷え、老化が進む、ホルモンのバランスが崩れているとか症状が隠れたところにあるかもしれないので、それを探り、腎臓が元気かどうかを調べます。あるいは自分で腎臓の反射区を触ってもらって、痛くないか観察して知ってもらい、症状が出ているようであれば、腎臓からアプローチをかけます」
ーー腎臓を整えようとなったら、それに応じたポーズを試すのですか?
「そうですね。例えば、腎臓にフォーカスした呼吸法や足腰の強化を主に入れてあげます。メンタルからは、腎臓は恐怖を溜め込むところなので、自分のなかで不安や恐怖を感じているところがないのか? と内観したりします」
ーー内臓の周りがパンパンというのは、何が原因でパンパンになっているのでしょうか?
「臓器の周りにある筋肉が凝り固まっている状態になると、臓器が動けずパンパンになってしまいます。臓器が動けるように筋肉をほぐしてあげることで臓器が活き活きとした状態になります」

胃腸によい食べ物や生活習慣とは
ーー昨今、雑誌でも腸活が取り上げられていますが、KIKOさんが思う胃腸によい食べ物や生活習慣があれば、教えてください。
「腸にいいものは白い食べ物なんですね。例えば、大根、蓮根、ネギ、白菜、豆腐など。また食薬が辛味なので自然な辛味。よく『おばあちゃんの知恵袋』で蓮根をすったものを食べると咳がとまるとか聞いたことがありませんか? あれって実は臓活ヨガでお伝えしているものそのものなんです。すった蓮根をとると肺が養生されて咳がとまるのですが、肺と一緒に動くのが大腸です。ですから、肺を整えてあげると大腸も整ってきます」
ーー胃腸によいことや生活習慣は何かありますか?
「腸だけに特化するならば深呼吸ですね。呼吸を深くするということがまず一番」
ーーどのように心がければよいのでしょうか?
「常に呼吸を深めようとするのが、大変ですし、余計にストレスになってしまいます。ふとした時、リラックスしたい時に深呼吸を意識してください。実はため息もおすすめです。呼吸が止まったときにため息で呼吸を補おうとしているサインです。また、脾臓や胃の消化器系が肺の親になってくるので、胃を養生してあげるのもおすすめです。消化に良い食べ物を食べて、あまり考え事をしないようにすることもおすすめです。」

ーーKIKOさんはヨガのクラスだけでなく、コースも主宰されていたり、ご家庭もあったりと毎日スケジュールが詰まっているかと思いますが、時間をやりくりする秘訣は何かあったりしますか?
「朝の時間を有効活用しています。朝の時間は3倍速に物事を進めることができます。朝早く起きてすぐジョギングに行くこともあります。ジョギングが瞑想代わりになり、頭の中が整理されるんです。そして、その勢いでお弁当を作ったり、洗濯したり、朝のオンラインクラスをしています。事務仕事があるときは、出勤の時間よりも1時間以上早く出てカフェに入ってサクサクと仕上げています。全ての予定を前倒しにして、夜はゆっくり過ごしています」
Text:室町亜希
Edit:松田敦子
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