心の不調を乗り越え育んだ他者と自分への思いやりの心

はつらつとした声とトークで人気のヨガ・マインドフルネス瞑想講師の児玉美保さん。スポーツ中継のフリーアナウンサーとしても活躍していて、華やかなイメージがある美保さんですが、仕事で理想ばかりを追い求めて自分を追い詰め、心が不安定になってしまった時期も。そんな時に出会ったのが、ヨガとマインドフルネス瞑想。マインドフルネスの実践で自分の感情に向き合うことで、自分自身への思いやりだけでなく、他者との繋がりも持てるようになったいう美保さんに、自身の体験やどんな自分も受け入れることの大切さについて語っていただきました。

人に伝える時に心がけているのは、くすっと笑えるような話題選びや話し方

――ヨガに出会う前のお話を聞かせてください。ラジオDJやスポーツ中継といった伝える仕事は何がきっかけで始められたのですか?

「高校1年生のときに地元に小さなラジオ局が開局し盛り上がっていた時に面白そうだと思って、お手伝いさせてくださいっていうリクエストを送ったんです。そうしたら、パーソナリティのお兄さんがラジオで読んでくれて。じゃぁ、来週来てくださいって呼ばれたんです。それで行ってみたら、お手伝いするようになったというのが最初のきっかけです」

ーースポーツ中継もラジオのお仕事の延長線上でされていたのですか?

「そうですね。もともとサッカーのJリーグが好きだったんです。地元にサッカーチームがあって、せっかく地元のラジオをやっているのだから取り上げましょうよということで実況中継をするコーナーを作ってもらいました。それで、20〜30歳くらいまでは、サッカーの中継も担当していました」

ーーヨガを含め、伝える仕事で心がけていることは何ですか?

「私は伝えるときに必ず聞いてくださる方に楽んでもらいたいと思うので、聞いている時間がその方にとってちょっとでもくすっと笑えるような話題選びや話し方をするように意識しています。レッスンもただ単にやり方を伝えるというよりは、ちょっとでもヨガや瞑想に興味をもってもらえそうなトピックを話してから始めるようにしてます」

ーー美保さんのYoutubeチャンネルを拝見しましたが、YouTubeは本で読む情報とは入り方が違うので面白いですよね。

「そうですね。ヨガや瞑想もそうなのですが、伝える対象と事実の間に伝え手が入ると必ず伝え手のフィルターがかかるじゃないですか。その伝え手のフィルターが対象の興味をいかに引くことができるかで伝え手のことを興味深いと思ってくれるかどうかが決まるかなと考えています。YouTubeやオンラインレッスンといったメディアは、自分を着飾ったり自分をよく見せ過ぎようとしなくていいので、近所のお姉ちゃんのような感覚で親しみをもって情報に触れてもらえるようにしたいなと心がけています」

マインドフルネスで乗り越えたパニック障害とうつ

ーー美保さんはヨガの講師をしていた時にマインドフルネスに出会われたのですか?

「わたしが習っていたヨガがマインドフルネスをベースにしていたんです。それまでもホットヨガとかいろんなヨガを試していたのですが、ポーズや呼吸を押し付けるような感じがして面白くないなと思っていて。もともとのヨガとの出会いは、パニック障害とかで体もボロボロになっちゃって考え方を変えなきゃダメだなぁと思っていた時に、心療内科の先生から体を動かした方がいいからヨガとかやってみたら? と言ってもらってヨガに行き始めました。ヨガで体を動かすようになると調子がよくなって、周りの人と話してみると、「実は自分も調子悪かったんだよね」っていうような方が多くて。それで、皆んなもヨガやればいいじゃん!と思ってヨガの先生の資格も取りました。当時資格をとった時はなんかヨガって面白くないなぁとまだ思っていたのですが、ちょうどその時に出会った先生が、ポーズを教えるというよりも心の解放を教えてくれるような瞑想的誘導だったんです。1レッスン受け終わった頃には、まるでエステに行ったかのような気持ちが味わえました。先生の誘導を聞いていると心身ともにほぐれるなぁと思っていたら、先生のヨガがマインドフルネスをベースにしているヨガだったんです」

ーーマインドフルネスがパニックやうつにどう影響して回復したのか教えていただけますか?

「大学を卒業してからフリーランスで喋る仕事をやっていたのですが、自分で自分を追い詰めるというか、この仕事を取らないともう次がないというか、理想ばかり追い求めて自分で自分の首をしめていました。自分の現在地を見ずに、もっと上、もっと上を見ていて、現実と理想の乖離が大きなストレスとなってマネージャーさんや周りの方に当たり散らしていたんです。追い詰められてしまって、周りがみんな敵のように見えてしまって…。そんなんじゃいいパフォーマンスもできないですよね。休みの日も新しい知識を取り入れなきゃとか、休んじゃだめだと思っていました。体は休みたいと言っているけど、頭はもっと行け行けって言って、結局体が先に悲鳴をあげて倒れちゃいました。体の状況を頭で受け容れられるようになるまでには1〜2年の時間がかかりました。寝込んでいる間も体が休まる感覚が全然なかったのですが、ヨガやマインドフルネスが体も心も休むことが必要なんだよっていうことを教えてくれました。何かを大切にしたり向き合うためには、何より自分が元気でないとって矢印を自分に向けさせる感覚を教えてくれたのがヨガやマインドフルネスでした。それからは周りとの接し方も変わり、知らないスタッフさんに話しかけたりとか、人と人との繋がりを持てるようになりました」

ーー美保さんはオンラインライブレッスン、「RussellMEプレミアム」で、「日々是好日(にちにちこれこうにち)~慌ただしい感情を鎮め集中力を高める朝瞑想~」と「今の自分でいいじゃん!~背中を押してくれて元気をもらえるリセット朝瞑想~」を担当されてますが、それぞれ、どのような内容で、参加した方にどんな効果があると良いと願っていますか?

「日々是好日の方は、私がパニックやうつを発症して倒れたことがきっかけで、人に対して思いやりを持つことができたように、私たちって結局何か起きなければ学ばないんですよね。だから、例え毎日どんなことがあっても、どう料理するかは自分次第ですが、全ては自分を成長させてくれるようなプラスな何かなんです。毎日のなかに嫌な出来事が起きても、ただ嫌だと思うだけじゃなくて、自分の中に嫌な感情が沸いたことに興味を持ってほしいんです。嫌なことが起こった日も後々考えてみると良い日になっているから。日々是好日は、朝やっているのですが、今日これから起こることを楽しみにしながら家を出てもらえればいいなとの思いでお届けしています。「今の自分でいいじゃん!」は、お正月にイベント瞑想をやろうということで開催しました。普段やっているレッスンも含め、今の自分じゃダメじゃんと思っている方が多いんですよね。他から見たら、その方なりの良さがあるのですが、なぜか否定している方が多いんですよってRussellME プレミアムのスタッフさんに話したら、じゃぁそのままタイトルにしようということになりました。そのままでいいじゃんっていう意味もあるし、そのままでいいと認めてほしい、ありのままの良さを認められる自分に今年一年かけてなっていってほしいという願いを込めました」

ーー美保さんにとって自分を大事にするってどういうことでしょうか?

「いくら自分が元気であろうと、体は年齢や環境によって元気じゃなくなることがあるんですね。元気じゃない時に家や職場を回していけないようなシステムがあると弊害がでてくるので、自分は元気じゃなくなることもあるよという大前提に気づいていると、当たり前のことに感謝の心が芽生えてくる。とは言いつつも自分を大事にすることって押しつけちゃいけないことなんですよね。自分の中に自分を大事にする受け皿ができた時に、ものすごく大きなプレゼントをわたしてもらえるような感じがするので、大事にしてない方がいた時にはやんわりお伝えするようにしています」

自己肯定感は自己受容から始まる自己信頼

ーー日本人は自己肯定感が低いことで知られていますが、自己肯定感をあげるためにはどのようなことを心がけると良いですか?

「自己肯定感こそ自己受容から始まる自己信頼だと思うので、自分のいいところも悪いところもひっくるめて受け容れられるようになれば自己信頼に繋がるのかなぁと。自分に対して信頼を持てるようになれば自己肯定に繋がると思います。自分の弱いところにふたをするのではなく、自分ができることに注目して、例えば日常の中で大ピンチが起きた時に、未来の自分であれば解決してくれるだろうと思えるようになれば、自己肯定感がうまれてくるのではと思います」

ーー自分を大事にするという方法を教えてくれるのが、ヨガだったりマインドフルネスだったわけですが、先生はヨガや瞑想以外にお気に入りのセルフケア方法はありますか?

「コロナになってから、1時間程かけて散歩するようになりました。家にいることが多くなったので、外の空気を感じるようにして、マインドフルネスの感覚も取り入れたり。足の裏の感覚を感じながら歩いていると、土やアスファルトで違いがあったり、体全体で研ぎ澄まされる感じがして面白いなぁと思っています。好きなラジオを聴きながら歩いて、自分の中に没頭する時間になったりして奥が深いです」

Text:室町亜希
Edit : 松田敦子

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