柔らかい笑顔の奥に芯の強さが垣間見える敦子先生。一見マイナスに捉えられる経験をしてもその都度立ち止まって自分自身と向き合ってきた経験は、自分らしく生きている今の敦子先生を形成していました。その経験には、今を生きる現代人の救いとなる教えが詰まっているように思います。
ーどんな経緯でヨガ講師になりましたか?
以前は会社員の傍ら、近所のスタジオに通いながら13年程ヨガの練習を続けていたんです。メンタルもフィジカルもヨガで整える生活を送っていました。それだけ続けるとアーサナも上達してくるんですよね。地元のヨガコミュニティにヨガ仲間も増えていたので、「教えたらいいのに」と勧めてもらうこともあり、自分でも伝えることに興味を持ち始めていました。ただ、この時は会社員としての仕事があったので、いずれ教えるタイミングが来たらと、流れに身を任せていました。
しかし、8年前に過労で心も体もパンパンになってしまって休職をしたんです。そこで立ち止まって考えて、これからの人生もこの忙しさの中に身を置くのではなく、そろそろ自分が生活の中心に置いているヨガを仕事にできたら豊かだと思い、退職を決意しました。1ヶ月くらいちゃんとヨガの学びを深めたかったので、RYT(ヨガ資格)を取りにインドへ行きました。

ー会社員からインドへ、そしてヨガ講師へと、大きな変化ですね。
会社員として15年働いていたので、ヨガ講師への転職はけっこうな転機です。やっぱり踏み込むタイミングが難しかったですが、一見マイナスに思える不調によって立ち止まる時間がいただけたので、きちんと考えて決断することができました。
ーそういう時だからこそできる決断ってありますよね。ヨガにハマったきっかけはありますか?
ありました。全部マイナスに聞こえてしまうかもしれないんですけど、それも不調がきっかけでした。新卒で入った会社が忙しくて体がついていけなくなってしまった時に、近所の方に「体が良くなるかもしれないからヨガに来てみない?」って誘っていただいて行ってみたんです。それでヨガをしてみたら、ガチガチだった体がほぐれたのと同時に気持ちも落ち着いたんですよね。シャバーサナは熟睡だったし、何がなんだかわからなかったけれど魅了されて。それからはスタジオに行かない時でも本を読んだり、本を見ながら練習したりしていました。

ーそれからは色々な練習をされてきたかと思いますが、現在はどんなヨガを伝えていますか?
今この時代に生きている人々が自分らしく生きていけるヨガを伝えたい想いがあります。そのツールとして、ストレスをリリースするヨガを、つまり緊張を解放してリラックスを知ってもらうヨガを伝えていて、ヨガニドラをそのツールとして使っています。
ーこれまでの敦子先生の経験が生きる内容ですね。
会社員時代の自分の思考を振り返ってみると、「不安になる前に進まなきゃいけない」とか、「何かしていないと自分の存在意義がない」と思っていたんですよね。会社員であれば手を止めると成績もそこでストップしちゃうわけだから、遅れを取らないように常に何かを求めて進み続けなければいけないっていうマインドが強かったんです。皆さんこの社会で生きていると何かしらの歯車に乗っていると思うんですけどね。それを一旦止めるってすごく怖いことだったけど、立ち止まってみた時の恩恵が私には実感できたので、それをみなさんが1日の僅かな時間でもいいので取り入れてもらえたらいいんじゃないかなと思っています。
ー本当ですね。ヨガニドラとは、どんなヨガでしょうか?
まずはアーサナを取ります。最初に動くことでリラックスや緊張の解放に近づきやすくなるためです。それから仰向けになった状態で誘導瞑想を15分〜30分程度聞いていただきます。意識は寝ているところと起きているところの間に居続けてもらいます。
ヨガニドラの作用としては1番にリラックスがあります。肉体的には深い部分から緊張が解放されていくし、心や思考のぎゅっと凝り固まったものをほぐすっていう作用があります。それは1回でも感じられますが、ヨガニドラの練習を続けて深めていくことで、思考の癖など固めてしまっていたものが柔らかくなっていき、その癖を根本から変えていく作用があると言われています。だからメンタルヘルスのために使われます。ちょっと精神的に疲れてしまった時にお勧めできるのはそういう意味があるんです。
ーヨガニドラは繰り返し受けることで効果が高まるんですね!
そうなんです。そのことは私も実感していますし、受講してくださった方々を見ていても感じています。気に入っていただけたら繰り返し練習していくことでリラックスも上手になりますし、手が届かない潜在意識を柔らかくして浄化する作用が強まります。

ー素晴らしいですね。定期的に受けたくなる内容です。敦子先生のクラスをどんな方に受けていただきたいですか?
まず、忙しい人や現実的な問題を抱えている人って時間を作るのが難しいかもしれないのですが、そういう方にこそ隙間の時間を作っていただきたいので受けていただきたいです。
あとは、自分がそうだったんですけど、自分を生かし切れてないと感じている方。自分の人生なのに、「自分って本当はこうじゃないのにな」などと、今の自分の状況に対して違和感ややるせなさ、切なさみたいなものを感じている方に受けていただきたいです。きっとヨガの練習を続けていくと、自分の核のようなものがどんどん見えてくるんです。私にとっては特にヨガニドラがそうだったので、そんな方々にヨガニドラを受けていただきたいです。
ー現代人って大なり小なりやるせなさを抱えながらも、それに対してはどこか諦めて生きている方が多いと思うので、多くの方に受けていただけたらいいですよね。最後に、敦子先生のクラスをこれから受ける方に一言いただけますか?
忙しくて時間が取れなくて、気になってるけど後回しにしている方がいたら、ちょっとだけやってみてほしいです。どうしてもヨガは、中でもヨガニドラや瞑想は取っ付きにくく感じるとは思います。自分のタスクに追われて、時間がもったいなくて後回しにされやすいです。そういう時こそ試してみると効果を感じられる、恩恵を受けられると思います。自分もそうだったのでなかなか難しいのは承知なのですが、自分のためにそういう時間を作ってほしいと思います。
ー忙しい方こそヨガが必要ですね。
はい、忙しい方こそ少しのヨガの時間を持つことで絶対に生活のクオリティは上がるので、試してほしいです。
ー実感のこもった敦子先生の言葉だからこそ、今困っている人々に響くのではと思います。敦子先生ありがとうございました!
Text:磯 沙緒里

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