マインドフルネスに生きて自分自身を幸せに導く。人気ヨガ講師のしなやかなマインドとは

指導者として多くのヨガインストラクターを輩出し、時にはオンラインで、時には地方へ出向き、ヨガとマインドフルネスを伝え続ける鈴木伸枝先生。ヨガや瞑想に出合って変化していったその心身は、地方移住を前により自由な光を放っていました。冷静に自分自身を見つめながらしなやかに生きる伸枝先生の考えに触れることで、軽やかに人生を生きるヒントをいただいたように思います。

現在はどのようにご活動されていますか?

4月末から拠点を東京から地方へ移すために、東京でこれまで担当していたスタジオでのレギュラーレッスンからは離れました。今は、自分で企画をしてオンラインレッスンや対面クラスを行っています。地方へ行って対面クラスを開催することもあります。

自分の企画力だけで活動するって大変なこともあると思うのですが、生き生きとされている印象です

不安よりも新しい生活へのワクワクのほうが勝っていますね。例え何かあっても工夫すればなんとかなるだろうと。ある程度安定してくると新しい挑戦をしたくなる性格なんです。今、自分の欲求が「自分の好きな場所で暮らしたい」とか、「畑をやってみたい」という方向に向いていて。魅力を感じている今度の土地で暮らすチャンスが巡ってきたことに満たされているんです。

新天地でもオンラインレッスンなど開催されていくと思いますが、現在はどんなレッスンをされていますか?

私がこれまで時間をかけて学んで蓄積させてきたことすべてを伝えています。ベースに沖ヨガがあるので沖ヨガと銘打ったクラスも行いますが、それだけではなく、テーマごとに私の体験をご紹介しながらそのテーマを掘り下げていくクラスもあれば、ヨガのアーサナ中心のクラスもあります。しっかり勉強していく講座や合宿もやっています。

毎朝、瞑想のインスタライブを行ってもうすぐ2年になるんですけど、インスタライブを受けていてもっと体験を深めたいと思った方にはこういったロングクラスがいいですね。インスタライブは気軽に受けられるのでそれで十分と感じる方もいれば、もっと学びを深めたい方もいます。インスタライブの短い時間で体験できる現象と、みっちりプロセスを踏んで学んで体験できる現象って違うこともあるので、もっと学びたい方には講座やロングクラスがお勧めです。

伸枝先生のインスタライブで初めて瞑想に触れた方も多いと思いますが、毎回たくさんの方が受けていますよね。みなさんの反応はいかがですか?

すごくいいですよ。瞑想って、アーサナよりも繊細な部分にアプローチをかけていくので、すぐに効果が表れるものではないんです。私自身が、瞑想をいいものだと感じられるまでにものすごく時間がかかったんです。だからこそ、瞑想にはある程度の練習期間が必要だと感じています。みなさん、ヨガをやっていると瞑想の良さは聞いたことがあって気にはなっているけど、瞑想をして最初からめちゃくちゃいいと感じられる人ってめったにいないんですよね。むしろ初回なんて、早く終わってほしいと思っている人が多いんじゃないでしょうか。「瞑想で無になるとか聞くけどよくわからない・・・」とか。でも、毎日インスタライブで短い時間だけどずっとやってきたら、瞑想の効果といわれるものがそれぞれに表れ始めるんですよね。これまでは感情が動いた時にその感情に翻弄されてきたけれど、それを観察している自分に気づいたり、自己コントロール力がついたり。みなさんからフィードバックをもらうようになって、インスタライブを始めて本当によかったと思っています。

素晴らしいですね。続けることの大切さがわかりますね

そうなんです。ヨガも週に1回練習するだけでももちろん効果はありますけど、毎日続ける効果とはやっぱり違うんですよね。毎日続けると、毎日フラットな状態に戻ることができる。今ここに集中する時間を1日に1回持つか持たないかって、ずいぶん違うんじゃないかと思っています。物事の見え方一つとっても、ある角度から見ると悪いものに見えても、じゃあ違う角度から見たらどうなんだろう?と見つめ直すことを意識的に練習していくのもマインドフルネスのひとつかなと思います。ちゃんと自覚する練習を積んでいくと、みんなそれぞれに気づきが起きるのでは。

瞑想がうまくいかない相談を受けることはありますか?

ありますね。「全然集中できないんですけどどうしたらいいですか?」っていう相談が多いです。その質問には、「集中していないことに気づけばいいんだよ」と返します。瞑想って最終的には静かになるっていうことだと思うんですけど、その前に自覚することが大切だと思っていて。だから、心を静めないといけないんじゃなくて、心が静まっていないことを自覚していればいいんです。心の状態をよく水面に例えるんですけど、水面に小石を投げるとその波紋が広がっていきますよね。それを止めなきゃ!と手を加えると、余計に水面は波立ってしまう。その状態が、「集中しなきゃ」と考えている状態なんです。だから、ただ眺めていればいいんだよと。その結果として静かになることもあれば、何も変わらないこともある。全てにおいて自覚的に把握していることが大切だから、静かにならない=失敗というわけではない。筋トレがうまくできなくても続けていれば効果があるのと同じで、続けていけば力がつくんです。みんな、がんばって時間をかけて続けているのにもしかして何の効果も出ないんじゃないかと不安になるので、「何も間違っていないよ、そのまま続けていけば集中力も観察力も自ずと鍛えられてくるから」と伝えています。

みなさん安心するでしょうね。インスタライブで生徒さんからの質問に答えられている姿が印象的ですが、本当にたくさんの質問に対応していますよね

そうですね。それが私にとっては当たり前なんですよね。正解を言おうとしていないから答えられるんだと思います。私だったらこうするとか、私だったらこう捉えるとかっていう視点から話しています。

伸枝さんの視点に触れたいから質問してみるってこともありそうですね

そうだと思います。

インスタライブだけを見ていると伸枝さんが尊くて遠い存在のように見えている人も多いのでは?実際にお話ししているとお茶目な面も感じられます

そのことに気づいた生徒さんにびっくりされることが多いです。「先生、そんなお茶目だったんですね」とか言われます。そういう面を隠しているわけではないのに面白いですね。

お話ししていると伸枝先生の凛とした冷静さだけでなく色々な面が見えてきますが、お仕事はずっとヨガ関係というわけではないんですか?

ヨガの仕事は10年くらいです。その前はパフォーマンスの仕事をしていました。いわゆる夢追い人で、「自分の好きなことで生きていくんだ!」と意気込んでフリーランスで働いていました。収入が安定しているわけではないのでアルバイトもしながら生活していたんですけど、25歳くらいでその生活に疲れちゃったんですよね。チームでやる内容だったのですが、私の拘りも強かったのでチームの人とぶつかることもあって、もうやっていけないと思う時がやってきたんです。それから1年くらいはお金を貯めては海外に遊びに行くなどして自由に過ごしてから、大人の階段を登ろうと決めました。これまで世間一般の方が送るような人生を送っていなくて一般常識が抜けている気がしたので、それを身に付けたくて会社員になろうと思ったんです。

パフォーマンスのお仕事から会社員への転換は大きな変化ですね

それこそ最初はハローワークに行ったんですけど、あまり向いていなくて。私は専門職が向いているかもしれないと、資格の本を開きました。その時に気になったのが、植木職人とヨガインストラクターで。

植木職人になっていたかもしれない?!

それはそれで楽しい人生だったかもしれませんね。ただ、これまでの経歴を振り返って、体育大を卒業していることや運動が得意なこと、体の勉強をしてきたこと、人前に立ってきたことなどを踏まえると過去の経験を生かせるのはヨガインストラクターかもしれないと思って資格を取りにいきました。

ヨガには以前から触れていたのですか?

ヨガ自体はパフォーマンスの仕事をしている時からやっていました。ただその時は体幹トレーニングとストレッチ程度で、それまでの私にとってはあくまでもトレーニング・エクササイズでした。スポーツジムに行ったり、DVDを見たりしながらやっていて、太陽礼拝も知らないくらい。

そこからいきなり資格を取って教えるまでになったんですか?

資格を取るために通っていたヨガインストラクターを育成する学校に就職することになったんです。そこでは一般の生徒さんにヨガレッスンを行うだけではなく、指導者養成コースの先生になるので、勉強しなきゃいけないことがたくさんあって。まず自分がわかっていないと指導できないから、総合的に勉強することになったし、練習自体もすごい練習量だったんです。それがすごく良くて。総合的に勉強できたからこそヨガの理解が深まったし、がむしゃらに練習したから体験が増えていったんです。

ヨガに没頭していったんですね

はい。ただ、最初に変化を感じたのは自分よりも目の前の生徒さんでした。私はまだヨガが好きなわけじゃない段階でインストラクターになったわけですが、自分の変化を感じるよりも生徒さんからのフィードバックがすごくて。1回のクラスだけで、「何年も悩んでいた肩こりがなくなりました」とか、「ずっと眠れなかったのに眠れるようになりました」とか聞いた時に、ヨガってすごいのかもしれないと思い始めたんです。次第に、私自身にも変化が訪れて。パフォーマンス時代は昼夜逆転生活ですごい不摂生をしていたので常に具合が悪くてまわりからも身体が弱い人と思われていたくらいなんですけど、気づいたら不調がなくなっていて、ヨガの効果を感じたんです。

瞑想や哲学の魅力もすぐに感じましたか?

指導者養成コースの先生だから、研修として色々な講習を受けさせてもらって、その中に瞑想や哲学もありました。正直、普通のインストラクターの道を歩んでいたら勉強していなかったかもしれないくらい、当時の自分は瞑想や哲学の学びに興味がなくて。体育大出身らしく、生理学や解剖学のほうが興味があったんです。だけど教えなきゃいけないから勉強するわけですよね。会社が研修をしてくれて、そこで本当にいい先生たちに教わることができて、少しずつ魅力を感じるようになりました。ヨガの練習を続けていく中でも、やっぱりどこか身体だけじゃない作用を感じ始めるんですよね。そういう体験を通して、だんだんと瞑想や哲学の効果や素晴らしさに気づいていったんです。

伸枝先生も最初は苦手だったんですね

そうそう、最初に瞑想した時は研修だったんですけど「瞑想させられた」って表現になるくらい苦手で、「なんで瞑想なんだろう?」って思って。昔はリラックスヨガも苦手だった。

お話しを伺っていると、昔の伸枝先生は今とはずいぶん印象が違いますね

根っこの部分はそんなに変わっていないんでしょうけど、表現の仕方はすごい変わったし、なにより感情のコントロールが上手になったと思います。大きく変わったのは、自分の考えだけが正しいとは思わなくなったこと。観察力が磨かれ、広くいろんな物事を観れるようになった時、みんなそれぞれの正しさを抱えて生きているんだということがわかってきました。昔は自分が正しくてまわりが間違っているというものの見方だったから、否定的な言葉を多く使っていたし、わかってほしい時の表現方法が強く主張する、論破するって感じでしたから(笑)。だからもめていたんですよね。それを理解できてからは、やりたいことや伝えたいことがあったら、どう話したらみんな理解してくれるだろうかと考えるようになったんです。たとえ感情的には理解できないことがあっても、一回冷静になって「じゃあどうしましょうか」と、一息いれて考えられるようになった。それってヨガの練習を通して自分を客観視することが上手になったからですよね。それこそがマインドフルネスなんだと思います。

人間関係に悩んでいる人にはマインドフルネスクラスをお勧めしたくなりますね

本当に。必ずしも全員に効くとは言い切れなくても、かなり有効なツールだと思うんですよ。ヨガには体を動かすこと、呼吸をすること、観察すること、意識を変えること、全ての要素があって、どこからでもアプローチがかけられる。それがすごくいいと思うんです。身体を動かすだけだったり瞑想だけだったりせず、総合的にアプローチをかけてあげると変化も早いです。私自身、心がきついときには瞑想をするのも難しいことがありました。そういう時はただただ身体を動かしてみたり、ほっとできるようにお風呂に入ってみたりでもいいんですよね。そういうのも結局はヨガだと思っています。今自分に起きていることを理解していれば対処の仕方もわかる。起きていることをジャッジメントしないで、まず見てあげる。そこから、「じゃあいい感じに対処していこうか!」と考える。私はヨガやマインドフルネスって自分の味方になることだと思っていて。味方になって助けてあげるためには理解が必要で、理解するためには傾聴してあげなければいけなくて。これはダメだよねと否定するのではなくて、まず聞いてあげてその上で一緒に考えていい方向性へ向かうように探っていくって感じだと思うんです。

それができると生きやすくなりますね

本当に。生きるのが楽になるいいツールだと思っています。ヨガのアーサナはまだ手に取りやすいのかもしれないけど、マインドフルネスとか瞑想ってまだ敷居が高かったり難しかったりと感じる方が多くて。だからこそ、頭で考えるよりも体験を通して納得してもらいたくて、間口が広いインスタライブという場で朝瞑想を配信しているんです。

どんな方に伸枝先生のレッスンを受けてほしいですか?

すべての人に受けてほしいと思っています。私自身、ヨガや瞑想によって人生がずいぶん豊かになっているから、本当にいいものだと思っているんです。私は日々を生き生きと過ごしているとは思いますが、それでも時にはちょっとしんどかったり、イライラしたりすることもあるわけなんですけど、そういうこととも上手に付き合ってこの人生を楽しく泳いでいくためにはとてもいいツールなんですよ。無理はしなくていいけど、わりといいものだからぜひ試してみてねと言いたいです。

特に私のクラスを受けてほしい人を挙げるとしたら、自分に厳しすぎる人。頑張りすぎて余裕が無くなってしまったゆえに上手くいかなくなってしまっている人。とにかく頑張れば結果が出ると考える人って多いけど、休息や頭を整理する時間もつくった方が結果に繋がることが多い。そのほうが余裕が生まれるから人とちゃんとコミュニケーションも取れて、うまくいくんですよね。これは私自身、頑張りすぎて余裕がなくなってもうどうしようもなくなった経験もあるからわかること。全てはバランス。ゆとり、スペースを自分の内につくることは、私が伝えるヨガの大きなテーマです。

あとはね、自分で自分を幸せにしたいすべての人に受けてほしいです。マインドフルネスで自己を観察し、自己理解を深め、自分が生き生きと生きていくのに必要なものを自分自身で与えられるようにみんながなっていけたらいいなと思っています。

素敵ですね。伸枝先生、ありがとうございました!

Text: 磯 沙緒里

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