”ヨガで地元を盛り上げたい”という思いから「ヨガで町おこし隊」を立ち上げた浅野さん。スタジオから始まり、テレビ番組や介護施設、病院、そしてなんと! 神宮球場に至るまで、幅広く活躍する浅野さんがヨガで大切にするマインドとは? 場所や境界にとらわれないからこそ、自然体でいられる。繋がりの輪が広がっていく。そんな浅野さんの人柄がにじみ出るようなお話でした。
ーーヨガインストラクターになる前は、どのようなお仕事をされていたのですか?
「職業だけで言うと、自動車ディーラーの営業、その後はスポーツ用品の販売員、その次に整形外科でリハビリの助手をして、デイサービスの立ち上げとトレーナーを経て、フリーランスになりました」
ーー幅広く取り組まれていたのですね。
「ありがたいことに、全て声をかけていただいて繋がっていった仕事になります」
ーーどの時点でヨガに出会ったのでしょうか?
「スポーツ用品販売員をしていた時、腰痛がひどくなったことがきっかけですかね。もちろん最初に病院へ行き、整体に行ったり鍼を打ったり、といろいろ試したのですが、その時にヨガを勧められ、本格的に始めてみたという経緯があります。実はヨガ自体は、腰を痛める半年前にやってみて楽しいなと思ったのですが、もともとサーフィンが好きだったので、当時はヨガよりサーフィンに時間をかけたいと考えていて。自分の体を痛めたことで、ヨガを始めるようになりました」
ーーヨガを続けていくなかで、教えてみようと思ったのはいつですか?
「最初の3年程は、週に2回ヨガスタジオに通う日々を過ごしていたのですが、それとは別に、サーフィン中に水圧に耳がやられ鼓膜が破れてしまう出来事がありました。週5で行っていたサーフィンでしたが、2か月間は禁止とドクターストップがかかったので、『じゃぁヨガ行く回数増やそうかなぁ』と思っていたところ、通っているスタジオでインストラクター養成講座開催という案内を見て、もっとヨガを深めてみたいと思い応募しました」
ーーふとした出来事が今に至るまで続くきっかけとなったのですね。
「ヨガを始めてみて、次に親だったり友達だったり身近な人に教えてみようと思い教えていたのですが、養成講座が終わる頃にはものすごくハマっていて。その時の先生から実際にやってみないか?と声をかけていただいて、私自身も先生になりました」

ーーヨガで腰痛がどのように改善しましたか?どのような影響がありましたか?
「簡単なポーズをとれば血行が良くなるので腰痛も良くなる、と言えるかもしれないのですが、ヨガで腰痛が改善されるというような言い方はあまりしたくなくて。ヨガで腰痛が治る方もいれば腰痛になる方もいるかもしれない。ヨガに限ったことではないのですが、他のスポーツでもハマればハマるほど怪我する頻度も増えるので、普段の生活から見てストレスの解消法だったり、ヨガを通した呼吸法だったり、ヨガの考え方を学ぶことで、腰痛がくるサインに気付きやすくなった、という言い方の方が合っているかな、と。もしくは、ヨガのポーズや教えが怪我をしないように過ごせるきっかけになるのかな、と考えています」
ーー自分の声に耳を傾けられるようになる、ということでしょうか。
「そうですね。私の場合は腰椎のヘルニアだったのですが、大きな怪我ってはっきりと現れる前に気づけるようなきっかけが何かあるのだと思います」
ーーもう今は腰痛がないのでしょうか?
「ヨガを始めてから12〜13年になりますが、年に2〜3回繰り返していたぎっくり腰も今はなくなりましたね」
ーー介護施設や病院でも教えているとのことですが、スタジオで教えるヨガとどのように違いますか?
「介護施設や病院にいる方は何かしら怪我をされているので、ヨガをする目的がヨガ自体にあるというよりも、日常生活を健康に送れるようにしたいだったり、健康に過ごす時間を長く伸ばしたいというところにあるのですよね。私はその目的が普通と違うかと言えば、違わないと思うのですが、ヨガをやっていると、ヨガをすること自体が目的になってしまうこともあって。どちらかと言うと、ヨガを通して何をしたいのかということが大事になると考えています」
ーーいろいろな場所で教えていらっしゃる浅野さんですが、ヨガで大切にしているマインドって何ですか?
「最近ずっと変わっていないマインドは、『自立』ですかね。自立というと、独立や自活するという風に捉えられがちですが、私にとって『自立』は自身のためにしていることが周りのためになったり、周りのためにしていることが自身のためになる、だとかそういったものを大切にする、そういったものに気づける、ということだったりします」

ーー浅野さんは「ヨガで町おこし隊」の代表もされているとのことですが、どんな活動をされているのですか?
「団体自体は2019年に行っていたイベントがきっかけで発足したのですが、そのきっかけについて先にお話すると、神宮球場で1対1,500人という大規模なヨガの依頼を受けて実施したことがあって。皆が仕事帰りにヨガを1時間行い、帰っていくというイベントだったのですが、私にとって東京で行ったイベントの中でも特に印象的なものになりました。そんなイベントを地元の茨城でもやりたいと思ったので、ヨガを無料で行うイベントをSNSだけで呼びかけて開催したのです。その時は、大体500人くらい収容できる場所を借りて行ったのですが、当日結構な人数を招いてみると、その分スタッフも必要になりますし、照明や音響も必要だったりで、赤字になってしまって。ですが終わった後に、その場にいた企業の方から、『素晴らしいイベントだから協力したい』と言っていただきました。イベント後には参加者同士の交流や近隣の飲食店が賑わったりと、地域を盛り上げるきっかけになり、続けていけたらいいよねという思いで団体をつくりました」
ーー今はコロナ禍という状況もあるかと思うのですが、その後もイベントは続きましたか?
「その後は2020年、野外にて100人規模で市や商工会と協力して行いました」
ーー地方というと、SNSにたどり着かない方もいるかと思うのですが、例えばそういった方にアプローチするにはどうしたらよいでしょうか。
「これは私も面白いなと思ったのですが、イベントを開催した時にアンケートをとってみたら、20〜40代の方だけでなく50代、60代の方の参加も多く、今まで地元のテレビ出演やクラスを続けてきたことで、SNSのみでなく、口コミなど皆さまが協力してくれたことが大きかったと感じています」
ーー今後ヨガを通して実現したいことは何かありますか?
「『ヨガで町おこし隊』の活動に力を入れて、まずはもう一度ヨガで地元を盛り上げたいなと思っています。あとは、昨年やってみて面白かったのですが、自分が表立ってやるのではなく、インストラクターの育成だったり、イベントを盛り上げたりというのを気がついたらやっていたので、それが広がっていくといいなと思っています」
Text:室町亜希
Edit:松田敦子
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