フロースタイルで、寄せては返す波のように動くOdaka Yoga。そんなOdaka Yogaに出会い、ありのままの自分に価値を見出す生き方を知った山下さん。ヨガを始めたきっかけは職場の先輩の一言でしたが、その後は、波に乗るかのようにヨガと共にある人生を楽しみ、現在は地方に移住。インスピレーションはどこで得られるか分からないからこそ、楽しいし、ワクワクしますよね、と教えてもらえたような気がします。
ーーOdaka Yogaというのは、どんなヨガなのでしょうか?
「創始者はイタリアのRoberto Milletti先生とFrancesca Cassiaという先生で、世界三大現代ヨガの1つの流派なのですが、武道と禅を背景に持つヨガです。最大の特徴は曲線的な動きで、Odaka Yogaではそれを”波の力学”と呼んでいます。自然界には直線的な動きはなく、全て曲線的であるということを、海の波のリズムよりインスピレーションを得て、そのように名付けたそうです」
ーーOdaka Yogaの”Odaka”はどのような意味ですか? 誰かのお名前ですか?
「名前だと思いますよね。実は名前ではなくて、Oriental Discsipline Arashi Kyo Academyの頭文字をとったものなのです。Oriental=東洋の、Discsipline=鍛錬・規律、Arashi Kyo=先生が師匠からいただいた武術名、Academy=学校という意味です」
ーー数ある流派の中からOdaka Yogaを選んだ理由を教えてください。
「最初はハタヨガを勉強し教えていたのですが、当時働いていたヨガのティーチャーズトレーニングスクールの同僚が、創始者のおふたりに師事し、Odaka Yogaをやっていました。たまたまおふたりが来日するタイミングで、スクールでワークショップをすることになったのですね。それでもともとフロースタイルのヨガが好きだったということもあり、同僚に誘われて軽い気持ちで受けてみました。それまでは、気の流れやプラーナよりも、ヨガの解剖学的な面に目を向けていることが多かったのですが、実際に受けてみると、太極拳のように気を循環させるような動きで。各々が自分のタイミングで流れるように動くのを後ろから見た時に感動したのです。創始者が自分のリズムで動くことをとても大事にされているので、同じ動きをしなければならないという規律もなく、動く姿はまるで皆が皆で気を回しているような、一人一人が波のように見えて。その時は頭では全然理解できなかったのですが、インスピレーションで『これだ!』と感じ、Odaka Yogaのティーチャーズトレーニングを習い始めました」

ーーヨガをする前は社会人をされていたのですか?
「大学を出てからは、ブライダルの仕事をしていました。大学生の時は将来やりたいことも見えていなくて、人生の折れ線グラフで言えば、最底辺の時でした。中高も進学校にいて、成績が優れていることや社会的に正しくいること=正と思い育ってきたので、大学ではそこに疑問を感じつつ、自分のやりたいことが見えず不安になり、大学に行かなくなった期間もありました。その頃ちょうど中高の同窓会があって、他の子は就職先の内定が決まっているのに自分は大学にすら行けてない、と自己評価もすごく低くて。ブライダルの仕事はやりたいと思って就いたのですが、人生をかけて行うライフワークでもないような気がしていました。そんな中、職場の先輩達に、『仕事の目標は何かあるのですか?』と聞いたところ、全員口を揃えて『寿退社』って答えて….(笑)。休日出勤や夜遅くまでの仕事も普通で、自分の身を削って他人の幸せのお手伝いをすることに違和感があり、その先に何かあるかを聞いたら寿退社と言われたので、未来ないなぁと感じてしまいました(笑)。そんな時に、職場の先輩に『山下って見た目ちょっとヨガの先生っぽいよね』と言われて。それまでヨガを一切やっておらず、よく分からなかったのですが『あぁ、そういう職種もあるのか』と何故だか気になり、思い切って仕事を辞めました」
ーー先輩のふとした一言がきっかけだったとは、何があるか分からないですね(笑)。
「ですね(笑)。それで仕事を辞めた時に、あるヨガスタジオがヨガやインストラクターの経験不問でインストラクターを募集していて応募しました。1次審査は問題なく通過したのですが、2次審査が実技で(笑)。運動経験もなく体も硬い私は、実技で落とされてしまいました。当時、負けん気が強かった私は『私を落としたヨガってなんだ?』と思い(笑)、スクールに通い始めました。それでスクールの卒業と同時に、担任の先生に声をかけてもらったご縁でヨガの先生になったのです。今思い返してみると、ヨガってただのエクササイズではなくて、自分を犠牲にして相手を優先するのではなく、まずは自分という存在に向き合って自分を大切にしたり、周りのジャッジメントで自分の価値を決めるのではなく、既に自分自身に価値がある、という哲学もあって。その哲学が大学の頃に感じていた葛藤を打破してくれたというか、救ってくれたから、今こうしてヨガを続けているのだと思いますね」

ーーヨガを始めるきっかけ然り、先生になるきっかけ然り、インスピレーションを拾った自分に拍手、ですね(笑)。
「本当ですね(笑)。この話を一度英会話の先生に話してみたら、『それは、Callingだね』と言われたことがあって。日本語で直訳すると運命なのですが、文字通り”呼ばれて”、という意味合いがとてもしっくりきました」
ーー山下さんが日課にしていることでもよいのですが、心も体も温まるようなセルフケアがあれば教えてください。
「月並みですが、湯船にしっかりつかることですかね。私はそれにプラスして、バスオイルをたらしています。基本的には夫と子どもと3人で入るのですが、一日の終わりに大好きな家族とリラックスして好きなアロマの香りに包まれる時間が心と身体を温めてくれます」
Text:室町亜希
Edit:松田敦子
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